「あれ、どこに置いたっけ…?」と、つい探し物をしてしまうことはありませんか?
毎日持ち歩く大切なものだからこそ、なくした時の不安は大きいもの。
そんな「もしも」の事態に備え、財布や鍵、カバンに付けておくだけで、その場所を教えてくれる心強い味方がスマートトラッカーです。
最近ではAppleのAirTagが有名ですが、他にもたくさんの便利な製品が発売されています。
この記事では、あなたの使い方にぴったりのスマートトラッカーを見つけるための選び方と、人気モデルをご紹介します。
目次
スマートトラッカーとは?なくし物を防ぐ小さな位置情報デバイス
もしスマホをなくしてしまっても、PCや別のスマホからクラウドサービス経由で、位置情報を検索することができます。
同じことを財布やカギ、カバンなどでも可能にするのがスマートトラッカーです。
▲アップル社の「AirTag」。1個で3,800円(税込)と4個セットで12,800円(税込)
実際の活用例
筆者もAirTagをはじめ、いくつかのスマートトラッカーを使用していて、実際にこれまで何度も助けられています。
たとえば北海道でのドライブ旅行で、出発早々に財布をなくしたときも、スマホで位置情報を特定できたおかげで取りに戻ることができました。
また、海外からの帰国時にスーツケースがなかなか出てこなくて不安になったときも、位置情報でちゃんと空港にあるとわかり、安心して待つことができました。
筆者自身の話ではありませんが、自転車にスマートトラッカーを付けていて、盗まれて放置されていたのを探し出し、取り返したという強者の友人もいます。
大切なものに付けておけば、いざというときにそれがどこにあるのかわかる。これがスマートトラッカーの基本です。
▲お店に財布を置き忘れてしまい、28km離れて気づきました
▲空港では、スーツケースが近くにあるとわかって安心できました
スマートトラッカーは大きく2つのタイプに分けられる
スマートトラッカーには、大きく2つの種類があり、それぞれ仕組みや特徴が異なります。
1. スマートタグ型(紛失防止タグ、忘れ物防止タグなど)
Bluetoothなどの技術を活用している、AirTagを含む多くのスマートトラッカーがこのタイプです。荷札のようなコンパクトデザインで、総じて「スマートタグ」と呼ばれることが多いため、ここではスマートタグ型とします。このほかにも、「紛失防止タグ」や「忘れ物防止タグ」とも呼ばれます。
このタイプは、デバイス自体にGPSのような位置情報を伝達する機能はありません。Bluetoothなどの技術を利用して近くにあるスマホと通信を行い、そのスマホの位置情報をもとに、どこにあるのかを把握できる仕組みになっています。
また、自分のスマホから一定の距離以上離れると通知してくれる機能もあります。万が一置き忘れても、最後にスマホとつながっていた場所を特定できます。さらに、紛失物が移動させられたとしても、近くを通りがかったほかのユーザーのスマホに情報が伝達され、現在の位置を特定できます。
▲スマートタグをつけた犬の近くをスマホを持った人が通りかかると、位置情報が管理サーバーに伝達され、飼い主は犬の居場所を知ることができます
Bluetooth型のスマートトラッカーは、位置の特定に「通りがかったほかのユーザー」の存在が欠かせません。スマートトラッカーのユーザー同士が互いに協力して位置を知らせ合う、いわば互助組織のようなしくみになっているのです。互助できる相手が多ければ多いほど見つかりやすくなるので、iPhoneをはじめ、iPad、Macなど、ユーザーの多いApple社の「探す」アプリ(Apple Find My)に対応したAirTagは、見つかる確率が高いということになります。
2. GPS型(GPSトラッカー、見守りGPSなど)
2つ目はGPSを搭載しているGPS型です。「GPSトラッカー」や「見守りGPS」と呼ばれることが多く、そのほとんどがサブスクリプションサービスとして提供されています。
位置情報がわかるGPSに加えて、モバイル通信機能を備えているものが多く、単体で現在位置を知らせることができるのが、Bluetooth型との大きな違いです。ほかの人のスマホが近くを通りかからなくても常に現在位置を把握できるため、子どもなどの見守り用として多く活用されています。
3.スマートタグ型とGPS型の大きな違いは?
スマートタグ型とGPS型の大きな違いは、バッテリーの持ちです。
スマートタグ型は年単位で使用できるものが多く、なかには電池交換はできないが、使い切りで数年間使用可能というものもあります。
一方、GPS型は電池の持ちが悪く、長くても数週間から2か月程度で、電池の交換または充電が必要です。
あなたはどれを選ぶ?スマートトラッカーの選び方
用途によって、選ぶべきスマートトラッカーのタイプは異なります。
1. 用途に合わせてタイプを選ぶ
なくし物・忘れ物防止、すぐ近くでの子どもやペットの見守りが目的なら「スマートタグ型」
財布、鍵、カバン、カメラなど大切な物に付けておきたいなら、サイズがコンパクトで購入後に費用がかからないスマートタグ型がオススメです。
また近距離であればある程度の位置を把握できるため、近くで見守りながら子どもを公園で遊ばせる際などであれば、見守りにも役立ちます。
離れていても子どもやペットの正確な位置の把握・見守りが目的なら「GPS型」
例えば子どもだけで遠くに出かける際や、広い公園などで多人数で遊ぶ際など、単体で常に正確な位置を把握したい場合なら、モバイル通信によって位置を把握できるGPS型がおすすめです。このタイプは月額などのサブスクリプション料金がかかることが一般的です。
2. スマホの機種との互換性を確認する
スマートトラッカーは、特定のOSや機種に連携していることが多いため、今使っている自分のスマホで利用できるかを必ずチェックしましょう。
- AirTag / Apple Find My対応製品
- Android端末では純正機能をフル活用することができないため、基本的にiPhoneユーザー専用です。
- Galaxy SmartTag2
- Galaxyスマートフォンユーザー専用のため、それ以外の機種を使用している場合は利用できません。
- Eufy Security SmartTrackなどサードパーティ製品
- Apple Find Myに対応したもの(iPhone専用)と、Googleの「Find Hub」に対応したもの(Android向け)など、バージョンが分かれていることが多いので注意が必要です。
3. 高精度な「UWB」に対応しているかチェック
AirTagやGalaxy SmartTag2など、一部の高性能モデルは UWB(Ultra-Wide Band)と呼ばれる無線通信にも対応しています。
UWBではBluetoothよりも高精度な位置測定が可能で、対応するスマホを使用すると、スマートトラッカーがどこにあるのか、正確な方向と距離を把握できます。
▲UWBではかなり正確な位置を確認できます
UWBは、近くにあるはずなのにソファの下など見当たらないというときに、とても便利な機能です。
ただし、UWBに対応するスマホの機種は限られています。たとえばiPhoneなら「iPhone11」シリーズ以降にしか対応しません。
4. その他のチェック項目
人気Bluetooth型モデル比較:AirTag・Eufy・Galaxy
ここでは、購入後のランニングコストがかからず、使い勝手の良いBluetooth型の代表的な人気モデルを見てみましょう。
Apple社は「探す」アプリをAirTag以外の製品にも開放しているため、最近ではAnker「Eufy Security SmartTrack」のように、Appleに対応するサードパーティー製のスマートタグも増えています。
残念ながらAndroidスマートフォンでは利用できませんが、Googleでも「Find Hub」という同様のしくみを提供していて、Eufy Security SmartTrackはこちらに対応したバージョンも発売されています。またサムスンも「Galaxyシリーズ」のユーザー向けに、同様のしくみで利用できる「Galaxy SmartTag2」を販売しています。
スマートトラッカーモデル別対応表
忘れ物が減る安心感!スマートトラッカーは「うっかり屋さん」の必需品
機能や価格は違いますが、どのモデルも探し物のストレスを減らすという点では共通しています。スマートトラッカーを取り付けておけば、家の中でも外でも物が探しやすくなります。
筆者同様、「あれがない!」「どこに置いたっけ?」となりがちな人には必須の製品。いざ、本当に落としてしまったり、なくしてしまったときも、闇雲に探すより見つかる確率がぐんと高くなります。
少しでも心当たりのある人は、今すぐ大切なものに取り付けることをおすすめします!
取材・文/太田百合子 イラスト:yori. 編集:木崎・本田・稗田/なるモ編集部










