【情シスあるある8選】とりあえず再起動…共感必至の社内問い合わせ&お悩み一覧

企業のIT面の成長を支える部署はさまざまありますが、その中でも「情報システム部門(情シス)」の重要性は日々高まっています。

デジタルトランスフォーメーションの進行と共に情シスが担う役割は拡大していますが、一方で業務の範囲やその重要性が企業内で完全に理解されていない場合も少なくありません。SNSでは情シス担当者の「他部署の人から何やってるかわからないと言われた」「予算とリソースが限られていて辛い」「業務量が多すぎる」といった悩みが聞こえてくることも…。

今回はそんな多忙な情シス担当者から伺った、情シス担当者なら膝を打つこと間違いなしな共感あふれる「情シスあるある(※1)」をご紹介します。情シス部門の業務内容や役割、悩みを知ることで、それ以外の担当者も実務に活かせるかもしれません。

※1:Webアンケートおよび対面アンケート回答(回答者:20~60代男女20名)

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お世話になりっぱなしな「情シス部門」、その実態は?

情シス部門の皆さん

▲画像出典:KatoSaori

「情報システム部門」、いわゆる「情シス」は、企業のITインフラと情報技術を管理する重要な部門です。社内のコンピュータシステムやネットワークの維持、管理が主な業務であり、ソフトウェアの更新やハードウェアのトラブルシューティング、セキュリティ対策の強化なども含まれます。そのため会社から貸与されたPCや業務用携帯電話に対するヘルプデスク的な業務を担当することがあります。

データ管理と保護も情シスの大きな役割です。重要な業務データを安全に保管し、必要な時には迅速にアクセスできるようにすることが求められます。また、新しい技術の導入を検討し、それが業務にどのように役立つかを評価することも情シスの重要な業務のひとつです。

また他部門と密接に連携を取りながら業務を進め、システム面や業務効率化の支援を行うことも。情シス部門は企業内で中心的な役割を担い、ビジネスの成長と直接的に関連している重要な部門です。

業務範囲は企業によって異なりますが、このように情シス部門だけでかなり大きな範囲の業務を少ない人数でカバーすることもあるのです。そんな幅広い業務をカバーする情シス担当者が「これはよくある!」と答えた問い合わせ内容やお悩みは一体何なのか、チェックしてみましょう。

情シスあるある:社内からの問い合わせ編

問い合わせ対応をする情シス担当

▲画像出典:KatoSaori

その1.何もしてないのにPC・スマホが動かなくなった/調子が悪い

ほぼ毎日言われるのが「何もしてないのに壊れた」ですが、「何もしてないことは絶対にない」です。機器類だけではなくシステムに関しても、似たような問い合わせが多いです。怒ったりすることはないので、詳細に前後で何をしたか教えてほしいです。(20代男性/情シス歴4年目)

とにかく再起動してから問い合わせしてみてください。(40代男性/情シス歴4年目)

PCの「調子が悪い」とよくいわれるが、再現性がないため、きちんとどこがどうおかしいか把握して連絡をもらえると助かります。(40代男性/情シス歴10年目)

その2.パスワードを忘れてしまった/リセットしてほしい

パスワードのリセット要求に関する問い合わせは日常茶飯事で、正直「またか」と感じることもありますが、人間だから仕方ありません…。(50代男性/情シス歴20年目)

パスワードリセットの負の連鎖。「またパスワードを忘れた」という問い合わせが多く、一人がリセットを依頼すると連鎖反応でほかの人も忘れていることに気づくことがある。(40代男性/情シス歴4年目)

ログインできないといわれるが、CapsLockでなんとかなる!(20代男性/情シス歴7年目)

毎日「再起動してください」とよくお伝えしているんですが、パスワードを忘れた場合にも有効だったりします。ログイン画面でエンターを押してなかっただけ、みたいなこちらも気づかない初歩的なケアレスミスも、再起動を経て気持ちもリセットされるのか解消されたりします。(30代男性/情シス歴5年)

「パスワードを忘れました」の連絡は、年齢や役職関係なく毎日大量に来ます。パスワード管理アプリ導入なども検討できるかもしれないので、忘れっぽい方の場合、3回忘れたら情シスに相談してみてください。(40代女性/情シス歴8年目)

その3.プリンターの設定/Wi-Fi設定がわからなくなった

Wi-Fi設定が事業所によって違うのですが、出張時にその設定がわからなくなったという問い合わせが何度もきます。取扱説明書も配布しているので、まずは落ち着いてチャットツール上を検索してみてください。(40代男性/情シス歴18年目)

「海外出張から帰ってきて、日本の社内でPCを使おうとするとネットワークに接続できない」という相談がよくある。PCを見せてもらうと、ネットワーク設定が海外用に変わってしまっていた。「設定を変える前に設定内容を記録し、日本の社内で使う時に元どおりに戻すようにして下さい」とお願いしました。出張先で変えられるなら元の設定にも戻せるはず…。(60代男性/情シス歴30年以上)

印刷がうまくできない、PCがまったく立ち上がらないといった質問が多く寄せられますが、たいてい画面に書いてある手順を実行すれば問題なしです。(20代男性/情シス歴4年目)

プリンターのトラブルで、機械のエラーメッセージをよく確認せずに電話をしてくる人が多いが、落ち着いて確認をしてもらっています。だいたいその時点で解決することが多いです。(50代男性/情シス歴20年目)

その4.「何もしてないけど壊れた」より怖い、「何もしてないのに直った」

謎の自己解決は怖いです。「何かエラーが出ていたけど、何もしていないのに直った」といわれると、原因がわからず対策もできないまま終わることがあります。(50代男性/情シス歴20年目)

「何もしてないけど」は1日50件ぐらい見ている気がするんですが、壊れたのはまだいいんです。最も怖いのが「何もしてないけど直りました」みたいな解決連絡です。こうなると神様に祈るしかないです。(30代男性/情シス歴5年)

「何もしてないけどいつの間にか直ったからもういいです」と言われることが結構ありますが、こうなると原因も解決手段も特定できず、また同じことが起きても何もできないので、なるべく前後で何があったか、些細なことでもいいので教えてください。(40代女性/情シス歴8年目)

その5.それ、PCのせいじゃないかも?

PCキーボードで「k」のキーを押しているのに「2」が入力されたといったようなキーボードがおかしくなったという問い合わせは、NumLKキーを押せば直る。その際NumLKキーの説明もします。デスクトップPCが立ち上がらないのは、元となるコンセントのスイッチが切れているからというのが多い。(30代男性/情シス歴1年目)

意外と多くて指摘しづらいのが、ただ充電が抜けてたとかWi-Fiがオフになっていたとか、相談いただいた方が原因の単純なミス。IT部門でバリバリやっているマーケティング担当者とか、ITリテラシー高い方でもありがちなミスなので、気にしないでください。(30代男性/情シス歴2年)

情シスあるある:業務でのお悩み編

とにかく忙しい情シス担当

▲画像出典:KatoSaori

その6.エンドレスな社内問い合わせ

朝から晩まで絶え間なく続く社内からの問い合わせにより、計画していた業務が全く進まない日がある。(50代男性/情シス歴20年目)

社内からの問い合わせの電話がひっきりなしにかかってくる。(20代男性/情シス歴4年目)

Slack、Teams、Google Meet、Zoom、業務用携帯電話、メール、問い合わせフォームを吐き出すスプシ(spreadsheet)、RPAやらなんやら、問い合わせ対応が多すぎる。大雪降っている中で雪山を削っているような気持ちになります。(40代女性/情シス歴8年目)

Slackの参加チャンネルが膨大になっていて、メンションさばくのも大変です。最近他社と合併したので、コミュニケーションツールも統一されておらず、問い合わせ対応だけで1日が終わることもあります。(30代男性/情シス歴2年)

その7.情シス、万能説

「ITに関することは何でも情報システム部が解決してくれる」という期待があるようで、時にはまったく関係ない技術的な問題も持ち込まれる。(50代男性/情シス歴20年目

officeの機能であればすべてを理解していると思われているようで、officeの問い合わせがある。結局私も調べる必要があるので、ならばご自身で調べていただいた方が…とは思います。(40代男性/情シス歴18年目)

担当者がわからないITっぽい業務はすべて一度情シスにきます。企画開発関係の部署と仕事をしていると、その部署内にいるシステムエンジニアさんに「なんで情シスさんがこんなことしてるんですか?」と聞かれることもあります。(40代女性/情シス歴8年目)

その8.ITリテラシーの壁

社内のITリテラシーの差が大きく、PCの基本的な操作から説明する必要があるため、時間がかかりすぎる。(50代男性/情シス歴20年目)

システム開発のプロセスを知らない人が多いため、「何で1週間でできないんだ」と言われたりする。システムはすぐに作れるものではなく、開発プロセスやほかとの優先順位もあることを知ってほしい。(40代男性/情シス歴5年目)

最新の技術やトレンド(AI、ブロックチェーンなど)を即座にビジネスに取り入れることが上役から期待されるが、実際にはコスト、実装の複雑さ、運用上の課題などを説明し、現実的な期待値を設定するのに苦労します。(30代男性/情シス歴2年目)

社員一人一人がもっとITスキルが向上したらもっと生産性が上がると思います。どのようにしたらそうなるのか常に考えています。(20代男性/情シス歴7年目)

課題意識を共有して、生産性を向上!

情シスは、まさに企業の縁の下の力持ちです。多くの部署がスムーズに業務を進められるのも、情シス担当者が背後で支えているからこそ。ただし今回のアンケート結果から見ても、情シス担当者の課題は山積みであり、その重要性がすべての部署に十分に理解されているとは限りません。

常日頃忙しい情シス業務の効率化を行うのであれば、社内で利用されるモバイル端末を一元的に管理できるサービス「MDM(モバイルデバイス管理)」の導入もおすすめです。無料トライアルもあるアイキューブドシステムズの「CLOMO MDM」も、ぜひご検討ください。

個人が責任を持ってPCを使用することはもちろん、スマホのビジネス活用や、新しいテクノロジーへの理解を深めることが、結果として全員の生産性向上につながるはず。まずは「何かあったらまずは再起動」を胸に、ビジネスに活かせる「なるほど」なトレンド情報を抑えていきましょう。

文・イラスト:ミズサワカノン 編集:木崎・稗田/なるモ編集部

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