スマホで「できるビジネスマン」を演出したい
iPhoneが発売された当初は、iPhoneを持っていればオシャレ認定されていました。
でも、誰もがスマホを持つ時代となった今、通勤電車でスマホを持っているだけではカッコ良さを演出できなくなりました。スマホを触っていても「できるビジネスパーソン」に見える方法はないのでしょうか?
そこで今回は、どんなファッションの悩みも解決すると噂のファッションインフルエンサーMBさんに回答をもらいに行きました。
MB(えむびー)さん
1982年10月1日生まれ。ファッションバイヤー/ファッションアドバイザー/ファッションブロガー/作家。ユニクロに代表されるファストファッションだけで誰でもオシャレに見せる方法論が注目を集め、書籍、ブログ、メルマガ、YouTubeなど、様々なメディアで発信を続け、いずれも大ヒット。『最速でおしゃれに見せる方法』や漫画『服を着るならこんなふうに』など、書籍の発行部数は累計200万部を超える。また自身のYouTube登録者数は40万人突破。有料メルマガは配信メディア「まぐまぐ!」にて個人配信者として堀江貴文さんを抜く1位をマークした。
スマホを見ていると、なぜカッコ悪く見えるのか?
──通勤時に周囲を見回すと今は誰もがスマホを見ています。服装とかはすごくオシャレにしているのに、スマホを持っているとカッコ悪く見えてしまうのですが、これはなぜでしょう?
MB:まず、ファッションの基本から言うと、人の視線は物の先端に必ず止まるものなんですね。手首、足首、首、この3首を整えることは、ファッションの世界では、とても大事なんです。スマホは手で持つものだから、目につきやすいんですよね。
──「オシャレ」ってファッションでは重要なのに、スマホではなぜ意識されないのでしょうか?
実用性の高いスマホではオシャレになりにくい
MB:ファッションの世界では、実用性と美しさは常に相反してしまうんです。実用性に寄り過ぎるとカッコ悪くなってしまい、美しさに寄り過ぎると不便になる。このジレンマを解消することが難しいんですね。実用性に富んだものが選ばれるのはそれが便利だからです。でも、みんなが選ぶものは基本的にダサくなってしまう。なぜならカッコいいということは、みんなとどこかが違うということなんです。差別化されているからこそカッコいいんですよ。みんなが選んでしまうと、そもそもカッコ良くなりにくいんです。
たとえばユニクロでオシャレにすることもできるんです。ただ、何も考えないで合わせたら、やはりカッコよくなくなって、普通の人になってしまう。でも、そこにみんなが買わないブランド物を一つ買い足すと、目を引くようになる。オシャレはそういう構造になっているんです。
スマホもそうですね。実用性の方向に振ってしまうとダサい見た目になってしまう。でも、実用性から離れてしまうと、カッコいいけど使われなくなってしまう。
──なるほど。確かにiPhoneも初期の頃は使っている人も少なくて、持っているだけでカッコよかったですね。でも実用面では使いづらいこともありました。
折りたたみのスマホカバーはオシャレにはNG
──スマホで差別化を図るとなると、カバーが重要になってきそうですね。
MB:スマホカバーも実用性をとるかファッションを取るか、人それぞれだとは思うんです。いろんなものを入れられるカバーは便利ですが、そういうものはフチがボロボロになりやすいんですね。カードケース付きのカバーで、私が見ていてオシャレだなと思うものは見かけたことがないですね。しかも、そこにバッテリーパックを付けたり、カードを入れたいからと折りたたみにしたりと、実用性を高くすればするほど、オシャレとは遠くなってしまいます。
スマホカバーはシンプルなものを選ぶべし
──では、スマホを持ってもオシャレに見えるようにするにはどうすればいいのでしょうか?
MB:結局、何も付けないのが一番カッコいいんです。そうは言っても落としたらどうするの?と当然心配になります。だから、カバーだけはつけておくのがいいですね。私の場合は、アップルの純正のものを利用しています。これだとカバーを付けているのかもよくわからないんですね。画面にシートも一応貼ってはいるんですが、特に装飾もつけず目立たないようにしています。これが今のところ私の最適解ですね。私にはこのぐらいの美しさと実用性のバランスがちょうどいいと思っています。
──なるほど。かつてスティーブ・ジョブズが取材に来たジャーナリストに「iPhoneのデザインは完成されているのに、君はなぜケースを付けるんだ」と言った話があります。結局、もとのデザインを損なわないことが大切なんですね。
スマホカバーは素材にこだわるべし
──スマホカバーの選び方でオシャレに見せるコツのようなものはありますか?
MB:そうですね…どんなファブリック(生地)が使われているかに注意してください。レザーライクなファブリックを使っているものもありますが、スマホは手で触ることが多くて擦れやすいんです。擦れても時間とともに味わいが出るエイジングがかかるものはいいんですが、スマホカバーにはそんな高級なものは使われていません。ほとんど合皮で安っぽいものが多い。合皮だと表面が擦れると、みすぼらしい感じになってしまうんですね。
あとは変色しにくいものを選ぶといいです。よく見かけるプラスチックのものは紫外線を浴びると変色してしまいます。紫外線を浴びても変色しにくいものや、毛羽立ち出ないような素材が使われたものを選ぶと、毎日使っていてもみすぼらしくはならないはずです。そういった理由から、私はApple純正のものが一番スタイリッシュでいいと思い使っています。
スマホカバーのカラーは発色に注意
──最近のスマホカバーはカラーバリエーションも豊富です。カラー選びで注意することはありますか?
MB:色はどんなものでもいいと思いますよ。ただ、やはり安っぽい発色にならないかが重要です。プラスチック素材のものだと、どうしても高そうには見えないんですよ。
素材がよければビビットなカラーでもあまりきつい色味にはならず、ふわっとした色になります。実用面で考えても、派手な色にしておくと鞄の中にいれておいてもすぐに見つけられるし、ビビットなカラーも選択肢に入れてもいいのではないでしょうか。
スマホに合うグローブならノースで決まり
──手元のファッションといえばグローブ選びも大事かと思います。これから真冬にかけて使うグローブの選びのポイントはありますか?
MB:じつは今年のファショントレンドで注目されているのはグローブなんですよ。いろいろなブランドが今年は発表しています。最近はラグジュアリー系のレザーグローブですら、グローブを嵌めたままスマホを操作できるようになっているので、スマホ操作を気にせずに選べるものが多いです。
──その中でもとくにオススメ!というグローブはありますか?
MB:トレンドでいえばテック系のものがいいですね。今年の流行りはアウトドア系のようなごついグローブではないんです。メンズでも指先が細い、細身のグローブが売れています。その中でもGORE-TEXを使ったTHE NORTH FACEの『Windstopper Etip Glove』がオススメですね。これは指の形がとても綺麗に見える。もちろんスマホの操作もできるし、GORE-TEXなので風も止めてくれる。価格も7,000円くらいなのでお手頃です。
グローブは大概のブランドのものが、指が汚く見えてしまうんですよ。グローブのサイズ展開は大雑把で、誰でも入れられるように指の部分が太くなっているんです。だからミッキーマウスみたいに手だけが大きくなって不格好になるんです。でもこのTHE NORTH FACEの『Windstopper Etip Glove』は一部がストレッチする。それなのに締め付けもきつくない。このグローブを付けると実際の指よりも細く見えるんです。
スタイリッシュでカッコ良く見えて、風も止めてくれて、スマホの操作もできるなんて完璧ですね。クリスマスプレゼントにはピッタリだと思います。
MBさんがオススメがするスマホの便利グッズ
──ほかにMBさんがスマホ関連で使っているアイテムでオススメのものはありますか?
MB:海外旅行をするときには、カードを付けられるMagSafe対応の『iPhoneファインウーブンウォレットケース』を使っています。ケースはマグネットでiPhoneケースに付けるだけです。そこにカードとかを入れて使えるので本当に便利なんです。
旅行の時にはホテルのカードキーを持ち歩くので、このケースに入れています。もしケースが外れてしまっていたら「置き忘れていますよ」とiPhoneが教えてくれるので安心です。
番外編 PCを入れられるビジネスバッグのオススメは?
────少しスマホから話がそれますが、同じ小物でいうとビジネスマンにとってバッグ選びもとても重要です。スーツスタイルでも使えるバッグ選びはどうしたらいいでしょうか?
MB:スーツスタイルになると、やはりブリーフケースが一番美しいですよね。そうなるとエルメスのようなラグジュアリーブランドのバッグやブリーフケースが圧倒的にカッコいいとなる。でも、実用性があるのかと言われたら…ないですよね。ブリーフケースだとどうしても入る量が少なくなるし、PCも入れられない。それで、仕方なくリュックを背負っているビジネスパーソンが多いんじゃないでしょうか。でもスーツでリュックを背負うと、あまりカッコ良くは見えないですよね。
たとえば、UNITED ARROWSのgreen label relaxingなどはどうでしょう。ブリーフケースではあるのですが、ストラップも付けられて、ショルダーバッグにもなります。スーツスタイルで、実用性もあってスタイリッシュなバッグとなると、これが一つの答えだと思います。
リュックとしても使いたいということならば、エースの『コンビライト2 3WAYバッグ』などもありますね。見た目はシックですが、雨にも耐えられる杢調のナイロンポリエステル混合素材を使っています。
ビジネスバッグを選ぶなら、実用性に特化していて、美しさの方向にバランスを寄せているものを選ぶといいと思います。
──スマホもバッグも、仕事をしていたら毎日使うものですもんね。とても参考になりました。これからはオシャレも意識してグッズ選びをしていこうと思います。ありがとうございました!
取材・文・イラスト:D★FUNK 編集:木崎・稗田/なるモ編集部