オンライン会議の「音」を快適に! 会議用イヤホンを使ってみよう ―おすすめ機種を体験してみた編

会議用イヤホンについて、イヤホン専門店「e☆イヤホン」のケイティさんと三友さんに話を伺う本企画。前編では、会議用イヤホンを選ぶ際のポイントを教えていただきました。

後編では、おすすめの会議用イヤホンを4機種、価格帯別で選んでいただきました。オンライン会議に欠かせない「マイク性能」や「装着感」など、おすすめポイントや特長についてプロならではの観点から解説します。

最後はそれをもとに、なるモ編集部がケイティさんおすすめのイヤホンを実際のオンライン会議で使ってみました。果たして、その違いを聞き分けることはできるのでしょうか?

オンライン会議におすすめのイヤホン 5,000円以下

ケイティさんには、5,000円以下、5,000円〜1万円、1万円台、それ以上の価格帯別で、オンライン会議におすすめのイヤホンを事前に選んでいただきました。では、5,000円以下のものから順に教えていただけますか?

ケイティさん
ケイティさん

はい。最初にご紹介するのは、finalの「E3000C」です。

final 「E3000C

▲final「E3000C」(4,428円)画像提供:e☆イヤホン、以下同

ケイティさん
ケイティさん

これは有線タイプのイヤホンで、ケーブルの途中にマイク内蔵のリモコンユニットが付いているモデルです。こういったリモコンマイク付きのイヤホンはたくさん発売されているのですが、代表例として今回こちらをご紹介しました。

有線イヤホン最大のメリットは、やはり充電が必要ないことです。特に仕事の場面で、5分後にオンライン会議なのに「イヤホンのバッテリーが切れそう!」なんてことになると大変ですよね。有線イヤホンではそういった煩わしさがないので、とても便利です。

確かに、充電を忘れがちな人にはいいですね。

ケイティさん
ケイティさん

さらに有線イヤホンは、ワイヤレスイヤホンと違ってイヤホン部分がとてもコンパクトなんです。ワイヤレスイヤホンはイヤホン本体内にチップやバッテリー、マイクなどを入れる必要があるので、どうしてもサイズが大きめになってしまいます。

一方で有線イヤホンは搭載するものがはるかに少ないので、耳に負担のないコンパクトなサイズ感のものが作れるんです。加えてこのイヤホンはサウンドも非常にマイルドで、とにかく耳が疲れにくくなっています。

「とりあえず何か会議用イヤホンがほしい」と思ったら、ちょうどいい価格でちょうどいい性能ですね。

オンライン会議におすすめのイヤホン 5,000円~1万円

では、次に5,000円〜1万円のおすすめイヤホンを教えてください。

ケイティさん
ケイティさん

はい。続いてご紹介するのは、Jabraの「Elite 3」です。

Jabra Elite 3

▲Jabra「Elite 3」(9,000円)画像提供:e☆イヤホン

ケイティさん
ケイティさん

こちらは、マイク性能に定評のあるJabraの完全ワイヤレスイヤホンです。「Elite」シリーズの最廉価版で、アクティブノイズキャンセリング(※)やマルチポイントなどは付いていないのですが、会議用イヤホンとしてのみ使うならこのモデルで十分かと。

「Elite 3」のおすすめポイントは、とにかくマイク性能が良い点です。Jabraはもともと、コールセンターなどで使われる業務用のヘッドセットなどを作っているメーカーなので、そのノウハウが一般向けの製品にも生かされています。

Jabraのイヤホンに内蔵されているマイクで話すと、とにかくきれいに声が通るんですよ。他社製品の同価格帯イヤホンと比較してもやはりピカイチ。コスパの面でも非常におすすめのイヤホンです。

※アクティブノイズキャンセリング:デジタル信号処理によってノイズを音で打ち消す技術。ノイズの波形と逆位相の波形を電気回路で作り出し、ぶつけて相殺する。

マイクを通して相手に自分の声がどう伝わるか……その観点でイヤホンを選んだことがありませんでした。でもオンライン会議の場だと、声の聞こえ方はかなり重要なポイントですよね。

ケイティさん
ケイティさん

「自分の声が相手にちゃんと届いているか」に気を配るのは、コロナ禍の新しいマナーと言えるかもしれません。さらに、このモデルはイヤホンにしては珍しくマイクミュート機能も付いています。主にヘッドホンなどに搭載されている機能で、通話アプリ内でミュートせずとも、イヤホン側で自分の声をミュートにできるんです。ちょっと地味な機能かもしれませんが、あるとかなり便利だと思います。

オンライン会議におすすめのイヤホン 1万円台

では、次に1万円台のイヤホンを教えてください。

ケイティさん
ケイティさん

はい。1万円台で会議におすすめのイヤホンは、Shokzの「OpenRun」です。

Shokz OpenRun

▲Shokz「OpenRun」(1万7,880円)画像提供:e☆イヤホン

ケイティさん
ケイティさん

先程もお話しした、コロナ禍で一躍人気になった骨伝導イヤホンです。一切耳穴をふさがないので蒸れもなく、着け心地は抜群。長時間にわたる会議でも快適に着けていられます。IT企業が社員全員に骨伝導イヤホンを支給したという話も聞いたことがあります。スポーツはもちろん、かなりビジネス向きでもあるイヤホンだと思います。

Shokzは骨伝導イヤホンに関する特許を多数保有していることもあり、クオリティの高い製品が多いんです。骨伝導イヤホンを買うなら、まずはShokzの中から選ぶことをおすすめします。

すごい、独壇場なんですね……!

ケイティさん
ケイティさん

最近になって、ようやく他社からも骨伝導イヤホンがちらほら登場してはいるのですが、まだShokzがメインです。ただ、骨伝導イヤホンはコロナ禍以降かなり盛り上がってきているので、今後に期待できるジャンルだと思います。

オンライン会議におすすめのイヤホン 2万円以上

最後に、2万円以上のハイエンドモデルでおすすめの会議用イヤホンを教えてください。

ケイティさん
ケイティさん

お値段を気にせず買うなら、ソニーの「WF-1000XM4」がおすすめです。

ソニー WF-1000XM4

▲ソニー「WF-1000XM4」(3万3,000円)画像提供:e☆イヤホン

ケイティさん
ケイティさん

イヤホンの中では結構高級な部類です。ただ、これもまたマイク性能が抜群に良い! ボイスピックアップテクノロジー(※1)が採用されていて、周囲の騒音がかなりカットされます。騒がしい場所で話しても、雑音の少ないクリアな声を相手に届けることができるんです。

それだけじゃありません。このイヤホンはアクティブノイズキャンセリングや外音取り込み、マルチポイントなど機能が盛りだくさんなんです。特にアクティブノイズキャンセリングの性能は業界の中でもずば抜けています。

それに加え、LDAC(※2)にも対応しているので、ハイレゾ音質で音楽を聴くこともできますよ。どの場面で使っても最高なイヤホンで、どこも妥協したくない人におすすめです

※1 ボイスピックアップテクノロジー:口から発される声と頭がい骨の振動で伝わる声を両方捉え、クリアな集音をする機能(ソニー「WF-1000XM4」製品情報より)※2 LDAC:ソニーが開発した高音質コーデック(再生機器側もLDACに対応している必要あり)

すごい……。夢のようなイヤホンですね。

ケイティさん
ケイティさん

ただ、機能を盛りすぎて少しイヤホンが大きめなんですよね。耳の小さい人が使うと、痛みを感じる可能性もあります。オンライン会議にしか使わないのであれば、このイヤホンはオーバースペックかもしれませんね。あくまでも、音楽用と兼用したい人向けです。

会議には必要のない機能が搭載されているせいで、耳が痛くて着けられない……なんてことになったら本末転倒ですもんね。

ケイティさん
ケイティさん

そうですね。会議用イヤホンを選ぶ際は、着け心地やマイク性能などを重要視して、それ以外の機能は潔く諦めてしまっても大丈夫です。

今回は貴重なお話、ありがとうございました!

ケイティさん
ケイティさん

ありがとうございました!

おすすめされたイヤホンを実際に使ってみよう!

続いては、ケイティさんおすすめのイヤホンをなるモ編集部のお二人に3日間仕事で使ってもらおうと思います。

伊藤
伊藤

ガジェットの検証記事、大好き! 楽しみです。

黒木
黒木

イヤホンの違い、ちゃんと聞き分けられるかな……。

なるモ編集部

伊藤

伊藤普段の仕事では1万円台の骨伝導イヤホンを使っている。今回はfinalの「E3000C」(4,428円)を検証。

黒木

黒木普段の仕事では5,000円台のワイヤレスイヤホンを使っている。今回はJabraの「Elite 3」(9,000円)を検証。

実際に購入したイヤホン

▲「Elite 3」(左)と「E3000C」(右)を実際に購入しました。撮影:なるモ編集部、以下同

〜3日後〜

検証ありがとうございました。まずは伊藤さんから「E3000C」の感想をお聞かせください。

伊藤
伊藤

結論から言うと、マイク性能が驚くほど高かったです。Zoomでのオンライン会議を録画して自分の声を聞いてみたのですが、なんだか音の解像度が高いというか、粒が細かいというか……。音を大きくしても、キンキンせず耳に優しい感じがしました。

普段音楽用として使っている3万円台のワイヤレスイヤホンとマイク性能を比較してみたんですが、正直この「E3000C」の方が良かったです。やっぱり有線だから集音が安定していたのかも。それか、ワイヤレスイヤホンよりもマイクが口元に近いからなのかな。

やはりマイク性能に違いを感じたんですね。着け心地の面ではいかがでしたか?

伊藤
伊藤

そう! 見てくださいこのイヤホン! 耳に装着するイヤホン部分、すごく小さいんですよ。小指の先くらいしかない。ワイヤレスイヤホンはもちろん、他の有線イヤホンと比べてもかなり小さい方だと思います。それに加えて、すごく軽い。普段ワイヤレスイヤホンを使っているので、あまりの軽さに驚きました。

「E3000C」のイヤホン部分

▲「E3000C」のイヤホン部分

その部分は、まさに有線イヤホンの強みですよね。

伊藤
伊藤

ただ、僕は普段ワイヤレスイヤホンを使っているので、有線イヤホン特有のタッチノイズ(※)が許せないんです。許せないなぁ……と思っていたら、このイヤホン、ちゃんとイヤーフックが付いていたんですよ。

※タッチノイズ:有線イヤホンのコードが服などに擦れて(タッチして)、その振動が「ガサガサ」という音として耳に伝わってしまう現象。
伊藤
伊藤

イヤーフックを使ってイヤホンコードを耳にかけると、タッチノイズが大幅に削減できました。マイクの位置がちょっと変わってきちゃうのでそのあたりの調整は必要なんですが、便利なアタッチメントだと思います

ありがとうございました。では次に、黒木さんの体験した「Elite 3」の感想をお聞かせください。

黒木
黒木

まず驚いたのは、着け心地の良さですね。普段は5,000円台のワイヤレスイヤホンを使っているのですが、それと比較して装着時の耳への圧迫感が全然なかったんです。

なんていうんだろう、耳穴にいれる本体部分が細いんですよね。耳にスッと入るし、おまけに軽い。普段使っているイヤホンと持ち比べても、断然「Elite 3」の方が軽いです。1時間くらい会議で使っていても、疲労感はあまり感じませんでした。

耳穴に入れる本体部分

▲耳穴に入れる本体部分。この部分がかなり細い。

一番の感動ポイントは「着け心地」の部分だったんですね。会議に必須なマイク性能の部分についてはいかがでしたか?

黒木
黒木

これもまたすごくて、ワイヤレスイヤホン特有の音のシャリシャリ感があまりなかったんですよね。特にサ行の発音がとてもきれいにマイクに乗っていて、全体的に自分の声の輪郭がくっきりしたなと感じました。

あと、ワイヤレスイヤホンのマイクでありがちな「シャーシャー」というノイズも、全くないとは言いませんが、かなり少なかったんですよね。とにかく声がクリアで、聞きやすい声を相手に届けられていたと思います。

正直最初は、このあたりの音質の差を聞き分けられるか不安でしたが、素人耳でも明確に違いがわかりました。

そこまで劇的に変わるとは……。

黒木
黒木

おまけに、しっかり音質も良かったんですよ。相手の声がいつもよりはっきり聞こえました。普段使っているイヤホンの音がどれだけこもっていたのか初めて気付きましたね。「Elite 3」は本当にオンライン会議向きだと思いました。これ、このままもらっていいですか……?(※ダメでした)

会議用イヤホンで、オンライン会議の質をワンランク上へ

お二人とも、検証ありがとうございました!

伊藤
伊藤

今回改めて会議用イヤホンに向き合ってみて、あまりの性能の違いに驚きました。イヤホンによってここまで違うのかと。

黒木
黒木

自分の声が相手にどう届いているかなんて、普段あまり気にしませんからね。同時に、相手の使っているイヤホンのマイク性能が悪いと、以前よりも気になるようになってしまいました。会議相手のためにも、イヤホンはちゃんと選ぼうと思います。

伊藤
伊藤

仕事でオンライン会議をする人は、ぜひ一度会議の録音を聞いてみて、自分の声が相手にどう届いているのか確認してみてほしいです。マイクの性能をはじめ、着け心地や音質なども考えて選んだイヤホンを使うと、会議の質も上がるはず。


果たして、オンライン会議専用のイヤホンは別で用意したほうがいいのだろうか……。若干疑いながらも取り組んだ本企画でしたが、内蔵マイクの性能は想像以上に会議相手の聞き取りやすさを左右することがわかりました。また装着感も重要で、長時間の会議で疲れないためにも軽くて耳穴を圧迫しない機種を選ぶのがよさそうです。

さらに企画の前編で「e☆イヤホン」のお二人に教えてもらった通り、オンライン会議用のイヤホンはハイスペックであればいいというわけではなく「適材適所」が選ぶコツ。どんな場所でオンライン会議に臨むことが多いのか、いつも会議で使っているイヤホンを環境に応じて見直してみると、日々のオンライン会議は快適になります。自分のためだけでなく相手が聞き取りやすくなるメリットもあるので、会議用イヤホンは一度しっかり選んでみるのもいいかもしれませんね。

取材・文:中込有紀/ノオト アイキャッチ:サンノ 編集:ノオト、本田・木崎/なるモ編集部

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